この話は実話をもとにしたフィクションです。
とある若者T君と84の会話
T.自動車のローンの支払が厳しくてお金が無いっす。
84.あの車、新車だよね。乗り出しでいくらぐらいしたの?
T.せっかくなんでオプションをちょっとこだわって220万ぐらいしました。
84.それだと60回ローンでも月々支払は結構な額になるよね。
T.あっ、でも頭金40万ぐらい入れてます。
84.なら月々の支払いは30000円+利子ぐらいかな?
T.確か利子こみで25000円ぐらいだったような?
84.あれ変だね。よかったらちょっとローンの申込書を見せてみて。
申込書の中身を見てみると、T君の言うとおりの月額支払額が記入されいましたが、最終回の支払額が記入されていない申込書でした。
84.やっぱり、この月々の支払いをしていくとローンを組んだ金額に30万円ぐらい足りないなぁ。これって残価設定型クレジットってやつじゃない?
T.何ですかそれ?
84.簡単に言うと、支払の最終回で自動車をローン会社に返却するか、残債を支払って自動車を自分の所有物にするか選べる支払方法だよ。
84.基本的に自動車を返却することで月々のローンの支払い額を少なくして、新車に乗り継ぐ人用のプランだね。
T.へぇそうなんですか。
84.おいおい自分の組んだローンだろ、知らないのは変じゃないか?
T.かくかくしかじかこのような理由が...
この辺はT君のの尊厳を守るため割愛します。
84.T君は通勤距離長かったよね、走行距離は今何万キロ?
T.車の運転が好きなんで、半年で1万5千キロです。
84.半年で??この調子で5年後は15万キロぐらいになるけど。
T.そうなりますね。
84.たしかこの残価設定型クレジットは、走行距離が長いと返却時にペナルティが発生したり、最悪返却が認められず買取になると思ったけど。
T.あぁ、この前オイル交換で車を買ったディーラーに行ったら、それらしいことをディーラーの人が言ってました。
84.絶句...
ローンの支払が終わるころに残るのは、30万円の残債と査定0円の過走行車...
中身を知らずにローンを組むT君と、そんなT君にローンを組ませるディーラーのセールスマン。
現代の若者を取り巻く世の中の闇を見たような気がします。
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