従業員持株会について。その1

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お金が大好きだけどお金に愛されないT君とその同僚84の会話。
T君:84さん今年の新入社員に持株会の募集をかけるんですけど。
84:うん
T君:持株会ってなんでしたけ?
84:君も加入してるでしょ。(こんな奴に募集を担当させて大丈夫かうちの会社)
T君:去年会社に入ったとき申込書をいろいろ書かされた記憶はありますが、そのうちのどれかですかね。
84:給与から1050円控除されている項目がないかな?
T君:(給与明細をみて)あっ、あります。
84:それが持株会の会費。ちなみに一口1050円で、うちの会社が5%補助が出しているから実質負担は1000円だね。
T君:じゃ10万円だったら毎月5000円もらえるってことですか?
84:計算上はね。実際は月額の上限は3万円までのはず。
T君:じゃ3万円やります。3万だと毎月1500円もらえるって事ですよね。
84:間違っちゃいないけど、ちょっとまて。
T君:だって5%ですよね。1回だけだとしても年利換算するとめちゃくちゃ高利率じゃないでか。
84:持株会って何に投資するか知ってる?
T君:たしか親会社の株を買うとか。
84:そのとおり。じゃ親会社の今の株価をネットで調べてみて。
T君:だいたい1600円ちょっとですね。
84:持株会の会費で株を月1回購入するわけなんだけど、その価格、株価は購入するタイミングで毎回異なります。
84:最終的に株の平均買い付け価格と売却額の差額が利益または損失なります。
T君:えーと。
84:T君は会社からの5%の購入補助が高利率だと言っていたけど、それ以上に株価が下がれば5%の補助なんてあっという間になくなるよ。
T君:駄目じゃないですか。
84:逆に株価が上がれば利益が出るけどね。
T君:いいじゃないですか。株なんて会社がつぶれない限り0にはならないんですよね。
84:まぁ、概ねそうだね。
T君:だったらMAX3万円やりますよ。自分は。
84:だからまて。
84:株価は色々な要因で決まるから、これを買っておけば大丈夫なんて鉄板銘柄は無いけど、
T君:はい
84:でも、個人的に親会社の株だけは沢山購入すべきではないと思うんだよ。
T君:何故ですか?まがりなりにもグループ企業の一員なわけですし、企業の将来性とかはわからないですけど、自分たちが仕事を頑張って親会社の業績が上がれば株価って上がるんですよね。あと親会社が単年度で利益を出せば配当金とかもらえるらしいじゃなんですか?
84:(急に正論ぽいこと言いだした)持株会の考え方としては間違ってはいない。まさにその通り。
84:だけど、投資の格言で「卵を同じ籠に盛ってはいけない」てのがあって、これは転んでしまったら全ての卵が割れるから分散したほうが良いという意味だけど。
T君:はい、それが?
84:T君はうちの会社の従業員で会社から給料をもらっているよね。
T君:はい、そうですね。
84:で、親会社の株を所有している。
T君:はい、持株会で月1000円づつですけど。
84:もし親会社が倒産すると収入も失い株の価値も0になって資産も失う。
T君:まずいじゃないですか。じゃ勤め先の会社の株は買わない方がいいってことですね。
84:私個人としては、雇用関係は従業員の時間を企業に提供して給料というリターンを受け取る投資だと考えています。
84:すでに人生の多くの時間を会社に投資しているわけだから、さらにお金を投資すると投資先が集中することによるリスクが発生します。
T君:じゃ持株会は今までどおり1000円だけにします。
84:それがいいと思うよ。
T君:かわりに分散投資で同業他社のY社を買いたいと思います。
84:おい!!

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