玄人志向の3.5型SATA対応HDDケース(GW3.5AA-SUP3/MB)と使い古しの3.5インチHDDを組み合わせてUSB3.0接続外付けHDDを作り、ファイルサーバーに接続し共有フォルダとして使いたいと思います。
USB-HDDをファイルサーバーの共有ストレージとして使うのは、性能、耐久性、信頼性、セキュリティ的にいかがなものかと思いますが、インターネットルータにUSB-HDDを接続して使う簡易NAS的な代物もありますし、個人で使う分にはよいかと思い試すことにしました。
組み立て
ケースのUSBポートや電源スイッチがありる背面がスライドして外します。
外した背面パーツと3.5インチHDDを付属ねじ2本で止めます。
HDDと背面パーツをケースに戻します。
背面パーツとケースを付属ねじ2本で止めます。
ケース両側面のねじ穴を付属ねじ2本で止めます。
以上。
ねじの大きさだけ気を配れば誰でも簡単に組付けられます。
ケースの背面と側面のねじは一気に締めつけず4方をバランスよく対角線上に締めたほうが良いです。
ubuntuの設定
まず先ほど組み立てたusb-hddをusb3.0ポートに接続し、ターミナルを使ってubuntuの設定変更を行います。
接続確認
$sudo parted -l
…中略…
モデル: JMicron Generic (scsi)
ディスク /dev/sdc: 6001GB
セクタサイズ (論理/物理): 512B/4096B
パーティションテーブル: gpt
ディスクフラグ:
番号 開始 終了 サイズ ファイルシステム 名前 フラグ
1 17.4kB 134MB 134MB Microsoft reserved partition msftres
2 135MB 6001GB 6001GB ntfs Basic data partition msftdata
/dev/sdcで認識されています。パーティションはWindowsから持ってきたままですのでntfsですがこちらは後でフォーマットします。
消去・パーティションの作成・フォーマット
$sudo parted /dev/sdc
(parted)mklabel gpt
警告: いま存在している /dev/sdc のディスクラベルは破壊され、このディスクの全データが失われます。続行しますか?
はい(Y)/Yes/いいえ(N)/No? Y
(parted) print
モデル: JMicron Generic (scsi)
ディスク /dev/sdc: 6001GB
セクタサイズ (論理/物理): 512B/4096B
パーティションテーブル: gpt
ディスクフラグ:
番号 開始 終了 サイズ ファイルシステム 名前 フラグ
(parted) mkpart
パーティションの名前? []? usb-hdd
ファイルシステムの種類? [ext2]? ext4
開始? 0%
終了? 100%
(parted) print
モデル: JMicron Generic (scsi)
ディスク /dev/sdc: 6001GB
セクタサイズ (論理/物理): 512B/4096B
パーティションテーブル: gpt
ディスクフラグ:
番号 開始 終了 サイズ ファイルシステム 名前 フラグ
1 33.6MB 6001GB 6001GB ext4 usb-hdd
(parted) quit
通知: 必要であれば /etc/fstab を更新するのを忘れないようにしてください。
sudo mkfs -t ext4 /dev/sdc
UUIDの確認
$sudo blkid /dev/sdc
/dev/sdc: UUID="ここにUUIDが表示される" TYPE="ext4"
マウントポイント作成
sudo mkdir -p /media/usb-hdd
sudo chmod -Rf 777 /media/usb-hdd
fstabの編集
sudo vi /etc/fstab
…中略…
# 最終行に追加
UUID=先ほど確認したUUIDを記述 /media/usb-hdd ext4 defaults 0 0
手動マウント確認
sudo mount /media/usb-hdd
df /dev/sdc
/dev/sdc 5813268592 90140 5520135940 1% /media/usb-hdd
sambaの設定
sudo mkdir -p /media/usb-hdd/archives
sudo chmod -Rf 777 /media/usb-hdd/archives
sudo vi /etc/samba/smb.conf
…中略…
# 最終行に追加
〔archives]
path = /media/usb-hdd/archives
writable = yes
browseable = yes
guest ok = yes
guest only = yes
read only = no
hide unreadable = yes
create mask = 0777
directory mask = 0777
sudo systemctl restart smbd nmbd
クライアント側から接続を確認
再起動・自動マウント確認
sudo reboot
# 再起動後
df /media/usb-hdd
/dev/sda 5813268592 90144 5520135936 1% /media/usb-hdd
/dev/sdcから/dev/sdaに変わっている。
ベンチマーク
無事共有フォルダが見えるようになりましたので、ベンチマークを取ってみたいと思います。
ケース:GW3.5AA-SUP3/MB+HDD:ST6000AS0002(USB接続)
まずパソコンとUSB接続した場合の性能です。
ケース:CSDRU3B6G+HDD:ST6000AS0002(USB接続)
参考として別のケースでUSB接続したベンチマークになります。
比べてみるとGW3.5AA-SUP3/MBは値段相応のスペックという感じです。
2019/9/7 amazon調べ
CSDRU3B6G:2588円
GW3.5AA-SUP3/MB:1946円
と思いしたがCSDRU3B6Gの値段も決して高くないですね。次はこちらを買い増ししたいと思います。
ケース:GW3.5AA-SUP3/MB+HDD:ST6000AS0002(共有フォルダ)
目的の運用方法である共有フォルダのベンチマーク結果になります。
さすがに、USB接続より遅くなるかと予想していましたがシーケンシャルリードはほぼ同等な数値が出ています。また、クライアントが無線Lan接続でスループットが50MB/s前後ですので、性能的にちょうどいい感じです。
ランダムの読み書きがUSB接続より良い数値が出てしまっていますが、ベンチマークを共有フォルダ計測した固有の現象としてスルーします。(実際速いと嬉しいですが、ネットワーク越しだと遅延も大きいですし応答速度的に細かなファイル読み書きは苦手だと思うので…)
総合すると、決して早い数値とは言えませんし、頻繁に読み書きを行うには不安があります。
しかし、過去に貯めたアーカイブファイルや動画ファイル置き場として使う分にはちょうど良いのではないかと思います。
ある程度使いこんだHDDをあまり忙しくない仕事を割り当て、いたわりながら最後まで使い切りたいと思います。
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